体調の変化と心の波に揺られて~自分を労わる時間との出会い~
漠然とした不調を感じ始めた頃
数年前から、私自身の体と心にこれまでとは違う変化を感じるようになりました。子どもたちがそれぞれ独立し、パートの仕事も以前と変わらず続けていましたが、ふと立ち止まると、漠然とした寂しさや、理由もなく気力が湧かない日が増えていたのです。
朝、目覚めても体が重く、以前は楽しんで準備していた朝食も億劫に感じることがありました。些細なことでイライラしたり、逆に急に気分が沈み込んだりすることも増え、自分でもなぜこんな気持ちになるのか、戸惑うばかりでした。家族に心配をかけたくないという思いから、そうした感情を表に出すことはほとんどありませんでしたが、心の中では常に、この漠然とした不調とどう向き合えば良いのか、静かに自問自答を繰り返していました。
心の揺らぎと向き合う日々
そんな日々の中で、私はまず、自分の感情に正直に耳を傾けることから始めました。以前は「しっかりしなくては」という思いが強く、自分の不調を認めることすら抵抗があったのですが、ある日、無理をして家事をこなそうとして、かえって疲労が深まったことをきっかけに、「時には休むことも必要なのではないか」と考えるようになったのです。
具体的な行動としては、無理に予定を詰め込むのをやめ、体が「休みたい」と感じたら、短い時間でも横になるようにしました。また、心が落ち着かない時には、窓の外を眺めたり、温かいお茶をゆっくり淹れてみたりと、意識的に「何もしない時間」を取り入れるようにしました。これは、何かを解決しようとするのではなく、ただ、その時の自分の感情や体調を「ありのままに受け入れる」という、ささやかな試みでした。
自分を労わることの大切さに気づいて
そうした時間を重ねるうちに、少しずつですが、自分の心と体が本当に求めているものが何なのか、漠然とではありますが、見えてくるような気がしました。完璧に家事をこなさなくても良い、いつも笑顔でいなくても良い、時には誰かに甘えても良い。そう自分に許可を出せるようになったのです。
この気づきは、私にとって大きな安心感をもたらしました。意欲が低下している自分を責めるのではなく、「今は心と体が休息を求めている時期なのだ」と、穏やかに受け止められるようになりました。すると、不思議と肩の力が抜け、少しずつですが、前向きな気持ちが戻ってくるのを感じたのです。
小さな一歩がくれる安らぎ
もし、あなたも今、私と同じように漠然とした不調や、理由のわからない気分の波に揺られているのでしたら、どうかご自身を責めないでください。この時期は、私たち自身の心と体が、新たなステージへと向かう準備をしているのかもしれません。
完璧を目指すのではなく、まずはご自身の体と心の声に、そっと耳を傾けてみてはいかがでしょうか。ほんの少し、自分を労わる時間を作ることから、新しい発見や、ささやかな安らぎが生まれることもあります。あなたが、ご自身の心と体を大切に、穏やかな日々を過ごせることを心から願っています。